2013年11月19日火曜日

『1リットルの涙』



『1リットルの涙』という日記があります。

この日記の作者は木藤亜也(愛知県・豊橋)さんという女性の方で、脊髄小脳変性病という、体を動かす働きをする小脳の細胞が減退してゆく難病に見まわれ、高校に入学する頃から病状が現われ出し、病気と闘いながら通学します。

しかし、病勢は止まらず、途中で養護学校に転校を余儀なくされ、遂にはベッドで寝たきりの生活の中でこの日記を書き綴ったのです。

25歳で亡くなりました。



「神様、病気はどうして私を選んだの?」



友達との別れ、車椅子の生活、数々の苦難が襲いかかる中、日記を書き続けることだけが亜也さんの生きる支えだった。

「たとえどんな小さく弱い力でも私は誰かの役に立ちたい」



『1リットルの涙』は、最期まで前向きに生き抜いた亜也さんの言葉が綴られた感動のロングセラーです。

映画化、テレビドラマ化されていますので、ご存知の方も多いかと思います。

彼女が在命中に出版され、大きな反響を呼びました。





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生きたいのです。

動けん、お金ももうけれん、人の役に立つこともできん。

でも生きていたいんです。

わかってほしいんです。



お母さん、わたしのような醜い者が、この世に生きていてもよいのでしょうか。

わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら、きっと見つけてくれると思います。



若さがない、張りがない、生きがいがない、目標がない……

あるのは衰えていく体だけだ。

何で生きてなきゃあならんかと思う。反面、生きたいと思う。



我慢すれば、すむことでしょうか。

一年前は立っていたのです。話もできたし、笑うこともできたのです。

それなのに、歯ぎしりしても、まゆをしかめてふんばっても、もう歩けないのです。

涙をこらえて

「お母さん、もう歩けない。ものにつかまっても、立つことができなくなりました」



後十年したら……、考えるのがとてもこわい。

でも今を懸命に生きるしかないのだ。

生きていくことだけで、精いっぱいのわたし。
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いま、彼女の残した日記や生きた証を知る事で、大勢の人たちが生きる事の大切さを再認識させられ、そして生きる勇気をもらっています。

彼女の「誰かの役に立ちたい」と言う思いは、いま尚、生き続けています。

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)


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